マウナケアツアー 太公望
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ハワイに雪が積もる―。標高4205メートル、富士山よりも高いマウナ・ケアには雪の女神ポリアフが祀られている。ハワイ語で「白い山」の名の通り、冬になると白銀に染まるその山で、私たちはまさに「宇宙」そのものを目の当たりにすることになるのだ。
午前2時半、波と風の音だけが暗闇に静かに響く中、普段のハワイ生活では考えられないほどの厚着をしてバンに乗り込む。眠い目をこすりながらも期待に胸が膨らむ。ぼんやりとした思考とわずかなインフォメーションからは、今後の展開とこれから目にするはずのものの実態は予測不可能であったが、チーフガイド、サニー氏の話に耳を傾けた。
ハワイ島はそれ以外のハワイ諸島全島をすべて足した面積よりも大きく、1年に7、8センチずつ日本に近づいているが、接触することなく、
日本列島の下へ吸い込まれる形で消滅するという。そもそもハワイ島が誕生したのは今から約150万年前。
火山の噴火で海水へ流入したマグマによって形成された。当然のことながら、溶岩のみから成る当時のハワイ島には生命体など存在し得なかったが、今では、緑の楽園と呼ばれるほど豊かな自然と独特の生態系を維持している。それはなぜか。要因となったのは、風、波、そして鳥の3つ。ハワイのシンボルといっても過言ではないヤシの木も、波で運ばれて来たものである。植物の繁栄と共に増加した動物たち。始まりは渡り鳥の到来であった。彼らは植物の種を運び、新たな生命をハワイ島にもたらす役割を果たした。そして約5000年の鳥と植物だけの世界を経て、二足歩行の哺乳類である人類が上陸したのだ。
これから行くマウナ・ケアの山頂付近は、冬になると山頂は雪に包まれ、気温は氷点下となるツンドラ気候。真夏でも5度から10度程度までしか気温はあがらない。 
サニー氏の話は、目的地到着までの2時間、途切れることはなく私たちの好奇心を駆り立て続けた。新たな知識を得た私たちは、ハワイ島への愛着を感じ始めていた。標高2800メートル付近マウナ・ケア中腹「オニズカ・センター」で高山病対策を兼ね、天体観測をしつつ体を慣らすとの説明を受け、手渡されたジャケットに袖を通しグローブの感触を確かめる。
バンから一歩踏み出すとそこには・・・

